妖しいCRS大好き!

<CRS製作記>

このホームページを御愛読下さっている「映画大好き!」な皆様方で「CRS拳銃」と言う言葉を御存知の方がどの位いらっしゃるでしょうか?CRSとは「コルトのC」「ルガーのR(アメリカの方のルガー社ネ!)」「スミス&ウエエッソンのS」の頭文字を並べたモノなんですが、70年代に日本国内でも流通して居た、東南アジア方面で製造された密造拳銃が、それらの有名なメーカーのリボルバーに「何となく似せて作られていた?」所からそんなネーミングが付けられました。
映画の小道具としての銃(いわゆるプロップガンですネ)も、「其の時代ごとのリアリティ」みたいなモノが必要です。例えば「チュンマゲ乗せた時代劇なら何だって種子島で良いのか?」と言うと、それは大間違いで、「種子島」と言う古式銃は、時代劇でもどちらかと言えば織田信長や秀吉が活躍した「戦国時代」(江戸時代になる前ですヨ!)の最新型鉄砲で、時代が不明の娯楽時代劇ならそれでも良いんですが、最近流行の「幕末(江戸時代末期)」が舞台の作品なら、種子島なんかよりウエスタンムービーでお馴染みの外国製の銃の方が時代設定には合って居るんですネ!(「坂本竜馬の銃」なんてネーミングでお馴染みの「S&Wのモデル2アーミー」も、スミス&ウエッソン社が創設から2番目に開発したウエスタンモデルですからネ)
現代劇でも同じで、やはり其の時代毎の「流行の銃?」と言うのが有るんですネ!そりゃあ日本の場合殆どが非合法な設定の銃なので、現代劇に種子島や51ネービーが出て来ても「ウソだ!」とは言えないんですが(現に古式銃としてそれらの実銃が国内にも沢山登録されていますからネ!)まあ銃器のコーディネートを担当している身としては、「小道具の銃でも、その時代が表せたら面白いな!」とか考えて、出来るだけその時代を表現する銃を出す様な努力はして居ます。
台本では「ヤクザの銃」としか書いて居なくても、終戦直後の「ヤミ市時代」なら米軍の横流しか旧日本軍の生き残りの銃が適当ですし、その後の、昭和ヤクザなら、冒頭に紹介したCRS(密造)拳銃が「それらしい!」ですし、ビデオシネマが始まった平成ヤクザ物になったなら「トカレフやマカロフがトレンディー?」と言うのは皆さん良く御存知ですよネ!
そんなこんなで、ボク自身は映画の中で「使い捨ての鉄砲玉」役の俳優さんなんかに、安価で使い捨てのCRS拳銃を持たせると言うのが、大好きです。
CRS拳銃の資料と言うのはGUN雑誌では殆ど見付からず(まあメーカー品では無い非合法な銃ですからネ)当時の警察が発表した摘発拳銃の写真を、当時の新聞のスクラップや週刊誌の記事等から探す必要が有ります。いつぞやテレビのドキュメント番組で、フィリピンか何処かの、其の手の密造拳銃の工場を紹介している番組が有りましたが、ジャングルの中の電気も無いようなバラック建ての作業場で作っているんですよネ!ドリル(ボール盤)がカキ氷の機械みたいな手回し式だったのには大笑いしました。
まあ、ボクの場合、あまり難しく考えないで、撮影現場でサイトが折れたりトリガーガードが曲ったりしてジャンクの銃になってしまった銃のリサイクルも兼ねて、「それらしく(これが大事!)デッチ挙げて?」作って居ます。
もともと有名なメーカーの銃に似せて作られて居る訳ですから、ベース(有名メーカーの銃)のモデルガンの外観の一部をチョコチョコっと変更して「何処と無くアンバランス?」にするんですが、基本的なテクニック(?)としては「角ばった所は丸く」「丸い所に角を付け」「長いバレルは短く(モチ!逆もアリ!)」したりするとイメージがガラッ!と変わって「其れらしく?」なって来ます。もうひとつのテクニックは、可動部分(発火機構)は出来るだけ手を加えないと言うコトです、手を入れれば入れる程発火不良などの不都合が出て来ます(なにせオモチャですから/笑!)
実際のCRS拳銃の資料写真を見ますと、ボクが作っている「良い加減なプロップ」より遥かにホンモノ(モデルになったメーカーの銃)に似て居る銃(外観では見分けが付かない位)も有るんですが、逆に「MADE IN JAPAN」なんて変な刻印が打たれた不思議な銃も有ります、モチロン!この銃は日本製と言う訳では無く、「日本製品」と書くと何となく高級品に見える為なんでしょうネ。(笑えます!)
ちなみに「サタデーナイトスペシャル」と言う総称で呼ばれる銃は、アメリカ国内で安価で売られて居る銃で、一応メーカーは存在するんですが、一流のメーカーじゃあ在りません、(アメリカの場合、一流は軍や警察に納入しているメーカーです)、土曜日の夜(サタデーナイト)にドラッグストアあたりを狙って強盗に入る連中が、この手の安価な銃を持って居るケースが多いので、アメリカ人独特のシャレで、この安価な銃を総称して、サタデーナイトスペシャルと呼んで居ました。
昨今この時代(70年代)を舞台にした作品が続いたので、この手の銃の在庫を引っ張り出して来ましたので、御紹介しますネ!(プロップガンとしては面白いでしょ!)

今回製作したCRS拳銃の進化(製作過程)を見て下さい。
ベースはMGCのローマン、トリガーは重いですが、発火性能と頑丈さはダントツなモデルガンの1丁です。
グリップは3インチ用のスクエアーグリップのチェッカリングを削り取ってメダリオンを裏返しただけなんですが結構怪しいですよネ!。
こちらの銃もローマンがベース。これは「日本映画学校」と言う、映像関係のスタッフを養成する学校の実習映画「ユコ(仮題)」と言う作品の為に作ったモノです。
使ってくれたのは同校の俳優課1年の齋藤晋平クンと山下純クンです。
その内、何処かの現場で会えるかな?
これはモロ!密造拳銃のイメージなんですが、ベースの銃は写真にも写って居るS&W586(MGC)です、並べて見るとデザインチェンジした部分が判り易いでしょ!
これもローマンベースですが、これは哀川翔さん主演のVシネマ「とられてたまるか!」(高橋伴明監督)の時に作ったモノです。(撮影の時はシリンダーがアンフルートになっていました)
この3丁はCRS拳銃と言うより、本文中の「サタデーナイトスペシャル」と言う類いの、安価なB級の銃を意識してモデルアップしたモノですネ。