ハシュパピー

<ハシュパピー製作記>

アームズマガジンでも記事になっているので、そちらで御覧になった方も多いと思いますが、「メタルギアソリッド3」で主人公スネークが使用している(ですってネ!・・・
ボク、ゲームはあんまり詳しく無いんです)のでリバイバル(?)人気のハシュパピーなんですが、実は製作途中に撮影していた画像が「画素数が粗い」とかで(デジカメの設定がそ〜なってました)編集部からハネられたので、その写真を中心に、改めて御紹介致します。(アームズ誌と平行して御覧下さい)
ゲームの主人公で米軍特殊部隊FOX所属のスネークが使用するハシュパピーは、「消音式の麻酔銃」と言う設定なんですが、実銃の方はモチロン9ミリ×19カートを発射するサイレンサーピストルです、それも消音効果を高める為に特注の「亜音速弾」(音速より遅い発射速度の弾丸)を使用する極めて特殊な銃です、それでも30発ほど発射するとサイレンサーの中身が消耗して消音効果が無くなると言うデリケートな銃です(ちなみに普通の9mm×19弾を使用すると、わずか6発発射しただけで消音効果が無くなるとか)ですからサイレンサーの前後に付いている滑り止めのローレット(ギザギザ)はそこから開けて中身の消音素材を交換する必要から付けられたモノの様で、其の為に専用の弾丸や消音素材の交換パーツをセットにしたサービスグッズ が銃1丁ごとに付けられていました。
この「メタルギアソリッド3」でも、この銃の発射音が発射数が増える毎に大きくなると言う、極めてこだわった設定がされているそうです。この銃の外観的特徴の1番は、サイレンサーを取り付けても使用出来る様に異常に高く設置された前後のサイトが挙げられます。
今回、フロントサイトはABS材の積層からの削り出しで製作、リアサイトは両側のガード部分は東急ハンズで見付けたアルミのチャンネル材(1メートルの定尺モノ)から切り出し、中のサイト部分はS&Wの439用のモノをパーツで買って利用しました(MGCではこのパーツが欠品していたので、マルシン製を取り寄せました)。固定はスライド裏側からのネジ止めです(一応エレベーションもする様にしました)。もう一つの外観的な特徴は、長く改造されたスライドストップ(スライドロックレバ ー)なんですが、これを上げておけば、スライドがロックされて発射時にブローバックしなくなり、エジェクションポートからの音モレを防ぎます、発射後はレバーを解除して手動で排莢させます、モチロンこのレバーでロックしなければ、普通のブローバック銃として使用出来ます。
このレバーは薄い割には力が掛かる部分ですし、モデルガンでもダイキャストで作られている部品なので、手元に在った真鍮素材で製作するコトにしました。実銃の写真資料を見ても、この部品は「手作り」の感じがプンプンします、ロック用の爪の部分はアンビになっていて両側からスライドをロックします、それに普通のスライドストップの反対側から差し込んで、レバー部分を通してからボルトで締め付けると言う構造の様です。
ところでこのハシュパピーと言う銃は(実銃は)一体何丁位製作されたのかと考え、手元の資料をひっくり返しましたら、正確な数字は公開されていないモノの1966年の開発試作から、製作終了の67年の間で115丁から120丁位がスミスアンドウエッソン社で製造され納品されたと言うデーターが見つかりました。
アレッ?と言うコトは、この「メタルギアソリッド3」の時代設定の1964年には、このハシュパピーと言う銃はまだ出来上がっていなかったコトになりますが??・・・ まあいいですよネ!(だって、もともと麻酔銃と言う架空の設定ですからネ!)
ホンモノのハシュパピーは海軍特殊部隊のSEALsの発注の為、アクアラングで水中から上陸して使用するケースも想定されていた為、防水対策も充分に施されていました、使用前にはサイレンサーの穴や銃のバレルやチャンバー部に防水用の栓がしてあったそ〜で、写真でもサイレンサーの前面の穴にゴムシートの円盤が貼ってあって見えなくなっているモノが確認できました。純正のホルスタ−もサイレンサーをつけたまま収納できる細長い防水素材のビニール(ゴム?)製のモノが正式なアクセサリーとして開発使用されていました。
ところで、このハシュパピーと言う名前の由来なんですが、一説には当時良く売れていたドッグフードの名前で、「愛犬が鳴くのも忘れて食べる〜」と言うサービス文句でコマーシャルしており、「ベトコンが吠えなくなる(吠える前に殺せる?)」と言う、いともブラックな発想で付けられたネーミングの様です。
でも今回資料を見直してみて、S&WのM39が当時最新式のオートマチックピストルとして市販されていて、それをベースにして製作されたのが今回の「ハシュパピー」と言う銃で、このハシュパピーの発展で特殊部隊側からのリクエストで装弾数を増やした(ダブルカアラムマガジンを装備した)銃が、その後に市販されるM59のベースになったと言うコトを知りました。(御存知でした?)
もうひとつ、トリビアな知識としては、米軍は多量に使用する銃は、御用達業者のCOLT社に発注するんですが、このハシュパピーの用に特殊な銃(少ないロッドの発注)はスミス&ウエッソン社が受注するケースが多かった様で、やはりベトナム戦当時に、ベトコンの地下トンネルでの接近戦で使用する、通称「トンネルガン」と呼ばれる、44口径の特殊なショットシェルを発射する6連発のショートバレルのリボルバーも製作したと言う記事を、同社の社史で見た記憶があります。
どちらの銃も専用弾丸まで開発する面倒な仕事で、100丁単位のオーダーでは決して儲からない(もしかすると足が出る)お仕事だったでしょう、そこまでしても「軍御用達」のキャリアは銃器メーカーとしては欲しいモノのようですネ。

リアサイトは、両側のカバー部分はアルミのチャンネル材から切り出し、中のサイト 部分はS&W・M439モデルガンのパーツから加工しました、M39のスライドのサイト部分の穴を一度埋め直してから、大きく切り欠く必要がありました。
今回はM39をベースにしましたが、もし手に入ればM439をベースにした方が簡単です。
スライドロックレバーの部品(中央の3点)とそれをハンダ付けする為の道具一式です。
金属用フラックスはステンドグラス用品のコーナーで調達、ハンダ鏝は使用せず、100円ライターサイズのガストーチで溶着させました。
ハンダ付けが完成したスライドロックレバー、余分なハンダはヤスリ掛けして削り落します。
向こう側からダブルナットで締め込みます。
スライドロックレバーの完成品(一応ガンブルーで着色)と、バレル先端に付けられたサイレンサー用の口金部分です。
口金部分は真鍮製で、エポキシ系接着剤でバレルにシッカリ固定してあります。
当時のグリップは、メダリオンも一体の黒い樹脂製の安モノのサービスグリップでしたから、その感じを出す為に、純正の茶色のグリップにプラモデル用のサフェーサを2〜3回塗装してメダリオンとの段差を隠して、ツヤ有りの黒でペイントしました。
当サイレンサーはバクレツパイナップル製のモノを少し切り詰めて、一段細く削って、左右の段差部分を作りました(段差部分には粗いローレットを切ってあります)
銃本体はつや消しの黒で塗装後、プラモデル用のトップコートをひと吹きしました。。