エピソード21『芝居上手なスタッフ?』

 テレビの2時間ドラマ等を観ていると、何処の撮影所で撮った作品か分かる時が有ります。どうして分かると思います? 実はエキストラで分かるんです。それも業界用語で言う所の「内トラ」つまり「内部エキストラ」で分かるんです。
 例えば殺人現場等で捜査陣が、例によって白い手袋をしながら「ごくろうさん!」とか言うセリフ言い「立ち入り禁止」のロープをくぐって入って来るシーン等で、ロープの向こう側で「ヒソヒソ」話ながら見物している3〜4人のヤジ馬なんてのが良く有りますよね。そんな場面で良く出演してるんです、ヒマなスタッフが。
 「撮影中にヒマなスタッフっているの?」と疑問に思うでしょ!居るんですよ。例えば、車両部さんなんか、撮影隊をロケ現場に運んだら、皆が帰るまではヒマな訳です。照明部だって昼間のピーカン(晴天)だったらレフ板位で足りますので、ヒマにしています。衣装部だって現代劇だったら着せちゃえば、そんなに忙しく有りません。顔つきの方も変なエキストラさんより、一癖有りそうな人相のスタッフが結構います。
 勿論セリフが有ったって大丈夫、新人の俳優より上手な芝居をするベテランのスタッフも結構居ます。これが癖になってくると、自分の担当した作品に必ず出演しなくては気が済まなくなって来ます。
 監督のアルフレッド・ヒチコックが自分の作品に必ずワンシーン出演するのは有名な話ですよね。ヒチコックの作品で、難破した船の救命ボートの中だけの映画が有りまして、ファンは「今回は何処で出演するのだろう?」と楽しみにしていたら、小道具の新聞のダイエット用品の宣伝広告のモデルの役(?)で出ていたと言うのは有名なエピソードです。
 ボクも時々ひと役もらって出演する事があります(一応本職は俳優です、念のため!)。ところが、若いスタッフからは「だめですよ!役者みたいな芝居しちゃあ!」と言われる様になっちゃいました、最近。