エピソード16『映画の魅力?』

 近年テレビの放映開始50周年とかで、昔の懐かし映像が良くオンエアーされています。
 テレビとボクは同い年と言う事なんですが、我が家ではボクが4才位からテレビがお茶の間に有りました。夜7時前になるとステテコ姿の父親が浴衣を着始めます。同時に近所の人たちが我が家の茶の間に集まりまして、力道山のプロレスが始まります。今見れば走査線が荒くモノクロの不鮮明な画面なんですが、当時は食い入る様に見入っていました。
 逆に言えば、その頃映画館で観られた総天然色のカラー映画がどんなに貴重で素晴らしい物だったのかと言う事ですよね。
 映画とテレビがハッキリ別の物で、映画は映画としてのプライドを持ち、テレビを一段下に見ていた時代のお話です。映画館では3本立てで毎週新作が公開され、それを製作する映画会社でも、夜を日に継いで新作が撮影されていました。大部屋に所属する俳優も各映画会社200人以上を数え、大部屋俳優でも其れなりの家が買えたと言う時代だったそうです。映画の仕事をしている事がとても格好良くて、プライドを持って仕事をしていた時代でした。その頃の日本映画は今観てもとても面白く、アイデアに富んだ作品が一杯有りました。
 政治的にもその時代を考えるとその映画の見え方も変わって来ます。例えば黒澤監督の「七人の侍」今観れば、大エンターテーメントの痛快時代劇なんですが、この映画が公開された時代(1954年公開)を考えますと、GHQの指令で設立された警察予備隊(1950年)が保安隊に改編(1952年)その後自衛隊が設立(1954年)された時代なんです。
 映画の中のお百姓さんの様に弱くなった日本が、七人の侍の様に強いアメリカに守ってもらいつつ、自分達も武器が使える様に訓練して、野武士の様な外敵に立ち向かう様に変わった時代だったんです、知っていました?