エピソード8『新幹線の珍事』

 近年、京都でのお仕事を良く頂く様になり、一年を通じてチョコチョコ京都に行くのですが、日帰の撮影と言うのも結構有ります。
 早朝4:30起床で5:00に自宅を出発。新聞配達のお姉さん(我が家は女の子が配達してくれてまして、集金にも来るので顔馴染みになっています)に見送られて、6:00の始発「のぞみ」に乗れば、撮影所9:00出発の撮影に間に合います。一日撮影に付き合って、夜20:30に撮影所を出れば、21:33の最終「のぞみ」に間に合い、自宅に着くのが深夜の0時を少し過ぎた頃です、強行軍ですよね。
 その日は其れ程の強行軍では有りませんでした。午前中の新幹線(急がない時は専ら「ひかり」です)に乗って京都に向かいます。チケットを毛糸の帽子の間に挟んで、暴睡していますと、車内検札で起こされました。綺麗な女の車掌さんでした。「あ、キップね、え〜と、あれ?あれ!?」あっちこっちのポケットを捜すのですが有りません。パニックになっていると、その綺麗な車掌さんが「あの〜」と人の頭を指差します「あ、そうか!」キャップの間に挟んだキップを見せて検札終了、彼女はニコニコしながらキップを帰してくれました。
 その日はトントンと撮影が済んで2〜3時間で「お疲れ」になり、そのまま京都駅から上りの新幹線に飛び乗りました。すると、車内検札が来てビックリ!、さっきの綺麗な車掌さんでした。「あれ?お客さん検札済みましたよねえ?」「あ、あれは行き、今帰り」とキップを見せると不審そうな顔で検札してくれました。彼女は下りの新幹線で博多(もしくは広島)あたりまで行き折り返して来たんでしょう。
 二流の恋愛小説ならこれがキッカケで恋が生まれ、三流のトラベルミステリーならこれがアリバイのキーポイントになるんでしょうが、幸か不幸かそんなドラマチックな展開にはなりませんでした。ザンネン!!